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「わかっているつもり」が一番危険。リスニングを確実な実力に変える、大人のディクテーション

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日常のスキマ時間にYouTubeやTEDの音声を流し、日々の生活の中で「英語を聞く時間」は一番長く確保している。それなのに、いざ英検などの過去問を解いてみると、6〜7割くらいは正解できるのに、残りの細かい部分がどうしても聞き取れない…。

「普段から英語をたくさん聞いているはずなのに、なぜあと一歩が突き抜けられないの?」

これは、私がかつてぶつかった大きな壁でした。 その原因は、普段の家事中の「BGM的な聞き流し」と、試験の「正確性が問われるリスニング」の違いに気づいていなかったからです。

「なんとなくわかる」が一番危険

普段の「聞き流し」とは別に、いざ過去問などの試験対策をしようと思った時、私はただ漫然と音声を聞くことはしません。 一番重視しているのは、「聞こえてきた音声を、聞いた後にまったく同じように復元できるか(言えたり、書けたりするか)」です。

なんとなく知っている単語を拾い集めて「こういう意味だろうな」と予測する「拾い聞き」でも、ある程度は意味が取れてしまいます。特に試験対策の場合、ポイントを押さえた聞き方をすれば、全てを完璧に聞けていなくても正解にたどり着くことはできますよね。きっと、試験勉強をしたことがある人なら経験があると思います。

でも、実はこれが大きな落とし穴なんです。

単語を拾い聞きして「ある程度分かっているつもり」になれたとしても、細かい文法や冠詞、ちょっとした言い回しが抜け落ちていた時に、自分で「どの程度分かっていないのか」を自覚できません。 「聞き取れているのか」ではなく、「聞き取れていないのか」。これに自分で気付けないため、ある一定レベルから能力が上がらなくなってしまうんです。

リスニングを「アウトプット」に変えるディクテーション

そこで私が取り入れたのが、「ディクテーション(聞こえた音をそのまま書き出すこと)」です。

ただ聞くだけではなく、聞こえた通りに書き出すことで、リスニングを「アウトプットに近い聞き方」に変えることができます。

書き出す時は、聞こえた音声と自分が知っている語彙や文法を結び付けないといけません。
きちんと音と知識がつながっている場合は、はっきりと何を言っているのか聞き取れますが、つながっていない場合は音を聞いても何を言っているのか理解できないはずです。

もちろん、ディクテーションをしたからといって、いきなり完璧に書き出せるわけではありません。
私もディクテーションをして初めて、「あ、私ってこんなに細かい文法の抜けがあったんだ!」と、自分でも気づいていなかった「基礎部分の抜けもれ」を見つけることができました。

文法やよく使う言い回しが自分の中にしっかり染み付いていないと、せっかく耳では音が聞こえていても、自分の知っている英語と結びつかないんですよね。

ディクテーションは「受かるレベル」の教材でやる

ここで一つ、私なりのディクテーションのコツがあります。
それは、目指している高いレベルの教材ではなく、すでに自分が受かっている(少し余裕のある)レベルの教材を使うということです。

目標とする高いレベルの教材は、純粋にリスニング問題を解く練習や、新しい語彙を覚えるために使えばOKだと思っています。

ディクテーションの目的は、「問題としては解けるし、意味も分かるはずなのに、なぜか自分の中で細部が抜けている」という“知識の漏れ”を探すこと。
だからこそ、「これくらいなら、ちゃんと聞けているはずだ」と思い込んでいるレベルのものを使う方が、自分の本当の英語力と、まだ足りない部分を正確に知ることができるんです。

抜け漏れを見つける!私なりのディクテーション5ステップ

ディクテーションをして完全に書き出せなかった時、私が実際にやっている具体的なステップをご紹介します。

1回目 背景やストーリーが掴めるか確認する

まずは音声を一度聞き、登場人物やストーリー展開などの「背景」が分かるかを確認します。もしここで背景が全く掴めない場合は、その音声はディクテーションをするにはレベルが高すぎます。(別の少しやさしい教材に変えましょう)

2回目 音声を止めながら書き出していく

文を聞きながら、実際に書き出していきます。私はまだ一文を丸ごと記憶して書き出すことはできないので、途中で音声を止めて書いて、また聞いて書いて……を繰り返します。これを文章の最初から最後までやります。どうしても分からなかったところは「〇〇」や空欄を作っておいたり、聞こえた通りにカタカナでメモしたりしておきます。

3回目 全体を通して聞き直し、修正する

全部書き出したあと、今書き出した文がちゃんと書けているかを、音声を最初から流して確かめます。2回目で何度か聞き直して書いたはずなのに、全体を通して聞くと不思議と抜けや漏れに気付くんです。それを修正して、この段階で「今の自分にできる一番いい解答」を完成させます。

4回目 スクリプト(原稿)との答え合わせ

ここでようやく、スクリプトと自分が書いた文章を見比べます。語彙やフレーズの抜けもれ、文法的に考えたら分かるはずなのに間違っていたところ、全く聞き取れなかった部分の正解を丁寧に確認していきます。

5回目 足りない部分を自分に染み込ませる

スクリプトと見比べて間違っていた部分は、今の自分に足りない知識です。ここからはそれを覚える作業に入ります。 私がやっているのは、スクリプトへの直接の書き込み、別紙(PCやスマホのメモ)への記録、音読、そしてオーバーラッピングです。どれか一つを選ぶのではなく、私は「全部」やります!

聞き取れない理由は必ず「3つのどれか」にある

ただ「あー難しかった」で終わらせず、必ずスクリプトを開いて原因を探します。リスニングで引っかかる原因は、大きく分けて次の3つしかありません。

1. スピードの壁

スクリプトを読めば簡単に理解できるのに、音声のスピードに頭が追いついていないパターン。これは純粋に、英語を「英語の語順のまま」理解する回路がまだ弱い証拠です。

2. ボキャブラリー(語彙)の壁

そもそも知らない単語や熟語が使われていたパターン。これは何度聞いても聞き取れるようにはならないので、単語帳に戻って語彙力を増やす地道な作業をやり直す必要があります。

3. 音声変化(リンキングやリダクション)の壁

単語自体は知っているのに、音が繋がったり(リンキング)、音が消えたり(リダクション)したことで、別の単語に聞こえてしまったパターンです。文字面の知識と、実際の「音」にズレが生じている状態ですね。

【私の失敗談】知っているはずの言葉が宇宙語に聞こえた日

最近も、この「音声変化の壁」にぶつかって悔しい思いをしました。

音声で流れてきたあるフレーズが、全く知らない表現に聞こえたんです。後からスクリプトを見たら、なんと「I’m so looking forward to」でした。

実はこれ、イギリス英語の発音だったんです。 「looking」の「ing」の音が消えて「so」と繋がり、「ソーウル」のように聞こえました。さらに「forward」も「for」の部分だけがやたらと強調して聞こえ、「ward」の音が弱かったため、私の耳には完全に未知のフレーズとして響きました。 「ソーウルッフォ」と聞こえたその音は、何のことかさっぱり分かりませんでした。

2回目に聞いた時、「前後のストーリー展開からして、何かを楽しみにしている場面だな」と推測し、「もしかして look forward to かな?」と予測。そして3回目でようやく単語と音が結びつきました。 それでも、最初の「so」の音だけは最後まで気づけず、解説を見てようやく「あ、これsoだったのか!」と腑に落ちたんです。

これは、語彙としては知っているのに、音の変化によって全く別の語に聞こえてしまったパターンです。「音と知識がつながっていなかった」し、「文脈から瞬時に読み取ることもできなかった」ので、ここが今の自分の弱点なのだとはっきり分かりました。

この後、音声を何度も聞いて自分でもマネして発音することで、しっかり聞き取れるようになりました。こうして一つずつ弱点を補強できたと実感できるのも、ディクテーションの良いところだと思っています。

ディクテーションで自分の弱点を知る「原因探し」をしよう

完全に書き出せなかった時、「あーダメだった」と落ち込んで終わりにするのではなく、スクリプトと自分の書いたものを見比べてみてください。

「あ、今回はリンキングにやられていたのか」 「これは単純に単語を知らなかっただけだな」 「ここは文法がすっぽり抜けていたな」

そんな風に、自分が聞き取れなかった原因を一つずつ丁寧に仕分けしていきます。 一見すごく地道な作業に思えますが、この「原因探し」の繰り返しこそが、スコアの頭打ちを突破して、本当に使えるリスニング力を育ててくれる一番の近道だと実感しています。

「なんとなくわかる」という拾い聞きを卒業して、自信を持って英語を聞き取るために、 聞こえなかった音の原因を、これからも焦らず、一つずつ丁寧に潰していきましょう!

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