英検準1級の二次試験に出てくる四コマ問題ですが、どれだけ練習していても「どういうこと?」「どうしたらいいの?」という疑問が湧いてくるのではないかと思います。
この記事では、
・英検準1級の四コマ問題についての疑問や不安を、一問一答形式で答える
ページとなっています。
私は、英検準1級をS-CBTで受検して、1発合格した経験があります。
リーディングなどの勉強と同時進行でスピーキング対策をしていると疑問や不安が浮かんできて、解決方法を調べるために、貴重な勉強時間を削っていました。
「細かいことは気にせず、勉強を続ける方がいい」と言われても、気になるものは気になるんです!
気になったら、答えを知りたくなってしまうのです。
結論から言うと、
- 気になったことは調べて良かった。
- 試験中に、不安だったことが起きたらパニックになっていたかもしれない。
- 知っておいたことで、無駄なく対策できた。
ということが言えます。
この記事を読めば、四コマ問題や二次試験全体に関する『ちょっとした疑問』をパッと解決できるはずです。疑問解消のためだけに時間を使ってしまうことがないようにしてもらえたら嬉しいです。
二次試験の疑問や不安はサッと解決して、貴重な時間を合格に向けた勉強に使ってくださいね!
【四コマ問題】についての疑問や不安
四コマのナレーション問題、解答時間はどれくらい?
ナレーションするのは、2分間。
面接官から四コマの描かれたカードを受取って、そこに書かれている指示文を読んで、話す内容を考える時間が1分間。実際にナレーションする時間が2分間。合計3分間と、カードの受け渡しなどの前後の時間を合わせても3分間と少しだけがナレーション問題にかかる時間です。
ナレーションのあとに、Q&Aが4問出されます。
答えるときにちょうど良い長さ(ボリューム)はどのくらい?
だいたい、一コマ3文。少なくても2文。
英検が公式サイトで出している準1級の二次試験のサンプル問題の、模範解答を見てもらうと分かりますが、各コマ3文ずつで構成されています。ピリオドの数で数えると2文でも、主語+動詞のセットが1文と考えると、内容的には3文になっています。
公式以外の予想問題本などの模範解答も、一コマ2文~3文で作られています。
制限時間の2分より早く終わった時は、どうすればいい?大丈夫なの?
ちゃんと言うべきことが言えたなら、終わっても問題ない。
四コマナレーション問題は、2分間喋りまくる試験ではなくて、ポイントを押さえたナレーションができるかの試験なので、時間より早く終わっても大丈夫です。実際、私もちょっとだけ早く言い終わってしまって「That’s all.」と言って終了ボタンをクリックしました。(S-CBTだったので。)
四コマのストーリーが伝わるようにしっかり話せたらOKです。
四コマの内容(ストーリー)を十分に理解できなかった場合、どう対処したらいい?
即興で、イラストにあったストーリーを創作する。
試験中に渡された四コマ漫画を見てもストーリーを読み取れなかったら、自作するしかないです。英語力の試験なので、「わたしはこういう話だと思ったよ」という風に、いかにも自信があるように振る舞って、ちゃんと英語で話せることを面接官に示せば大丈夫なはずです。
よほど絵とズレたことを言わなければ大丈夫。と思いますが、実際のところ、英検側の人間しか判定基準が分からないので、わたしには断言することはできません。きっと面接官をやったことがある人も基準の公表なんてできないはずなので、わたしたち受験者は与えられたイラストを見て、想像して、ストーリーを一生懸命英語で話すしかありません。
英検が出す四コマのストーリーはパターン化されています。過去問をしっかりやると、ストーリーがまったく分からないという事態は避けられると思います。
以下の記事の中に、『【パターンを確認】定番の四コマのストーリー』を2パターンまとめてあります。良かったら参考にしてみてください。
各コマにどの程度の時間を割り当てるべき?
わたしは各コマ30秒を割り当てて練習しました。
個人的な感覚ですが、過去問で練習したときのことや実際の試験を受けたときの経験をふまえると、2コマ目が短め、3コマ目が長くなると感じています。でも、練習の時は4コマで2分間という感覚をつかむために、1コマ30秒で時間を測って練習していました。
1コマ3文ずつ考えながらナレーションすると、ちょうど30秒ずつくらいになると思います。
四コマナレーションで使用する語彙のレベルはどの程度が適切?
英検で言うと2級のリーディング問題レベルの語彙。
準1級の面接に限らず、瞬間的にしゃべらないといけないのがスピーキングの試験なので、受験している級のリーディングに比べると語彙レベルが下がります。もちろん話すときの語彙や文法レベルは高い方が良いけれど、正確にたくさんの種類の語彙・文法を使えることが示せれば大丈夫です。(よほど簡単すぎる語彙ばかりでなければ、という意味。)
ナレーション問題の模範解答は一見難しそうですが、よく見ると語彙も難しいものではないし、文法もそんなに複雑ではないです。
ナレーション中に詰まってしまった場合、どうしたらいい?
詰まっても、無理やりなにか話し続けるしかない。
これに関しては、『無言になることが一番ダメだ』と言われていることからも、無理にでも何かしらの英語を話し続けないといけないです。
何を言えばいいのか分からない時は、①一人ひとりの動きや表情を言う、②コマの中の文字(看板、レポートなど)を読む、それでも出てこない時は、③well、andなどでつなぐ、それでも無理な時は④次のコマに進んで、間をつないでください。詰まって時間が終わってしまうより、4コマ目に絶対たどり着くんだという意識で、①~④までを駆使して4コマ目まで進めましょう!
無言が一番ダメ!
【二次試験全体】についての疑問と不安
二次試験の具体的な流れはどうなっている?
以下の通り。
入室→面接カードを渡す→座る→氏名などの確認とかちょっとした会話をする→問題カードを受け取る→問題カードを読む(1分間)→四コマのナレーションをする(2分間)→四コマに関して聞かれたことに答える→問題カードを裏返す→四コマ以外の「質問に答える」のを3回する→問題カードを面接官に返す→退室
基本的に、面接官が指示してくれるのでその通りにするだけです。
S-CBTも同じ流れで、違うのはカードの受け渡しの代わりに画面上に表示されることくらいです。試験前のちょっとした会話の部分もありましたよ。
詳しくは、英検公式サイトにも記載があるので見てみてください。
「準1級の試験内容」というページです。
面接官は何人?S-CBTの場合はどうなってるの?
一人です。S-CBTでも、映像内で一人面接官が登場します。
1対1での面接です。3級~準1級までは面接官が一人で、1級は面接官が二人になります。
マンツーマンの面接も緊張するけど、1級の2対1の面接は怖そう!
わたしなら圧倒されてしまいそうです。。。
四コマナレーションのあとの質問はどんなことを聞かれるの?
『あなたが○○(主に主人公)なら、どう思うでしょうか?(何を考えるだろうか?)』
と聞かれる。
この質問をされた後の答え方は、「わたしだったら…」を意味するI’d be thinking ~で解答するのが一般的。
たいてい四コマ目に関して質問されます。準1級二次試験の四コマ目は、何かが上手くいってない(主人公が思っていたようにならなかった)ストーリーになっています。なので、「もっと○○すればよかったと思うだろう」みたいな後悔を話すか、「もう一回、プランを考え直す必要がありそうだと感じた」などのこれからどうするかを話すと、キレイな答えになると思います。
その後、社会問題(教育、経済、健康、ビジネスなど)についてyesかnoで答えられる質問をされるので、理由をつけて自分の意見を答えます。
社会問題の質問はどの内容がくるか分からないので、本番では何を聞かれるかドキドキしました。2級と準1級のライティング問題と似た質問をされるので、対策にはライティングの過去問が使えます。
どんなミスを避けるべきですか?
①黙ることと②最後のコマまでたどり着かないことが最大のミス。この2点は避けましょう。
とにかく黙ることは良くないそうで、避けたいミスの一つです。また四コマ問題では、最後のコマまでいかないで時間切れになってしまうと大きく得点が減るとのことで、こちらも避けたいところです。
「過去形で話していない」というような文法ミスも良くないけれど、「最初から最後までナレーションできなかった!」というミスが一番良くないみたいです。
質疑応答のときも黙ってはいけないので、すぐに答えが出てこないときは “Could you say that again?” などと言って、『質問は理解できたけどあえて聞き直して時間稼ぎをする』作戦で乗り切りましょう。(この点、S-CBTだと聞き直しボタンを押せばいいだけなので、気がラクですよね。)
絶対話し続けるんだ、という気持ちを持ちましょう!
アイコンタクトや姿勢などの態度の部分はどうしたらいい?
①失礼な態度をとらないで、②もごもご喋らないで、③黙らない。
何をするかというよりも、何をしないか、が大事。
態度点の部分の話ですよね。面接官との面接(従来型)でも、S-CBT(録音型)でも判定基準は同じなので、実際に判断されるのはあくまで言い方(声)の部分だけになるはずです。面接官が相手でも録音でも、何を話したかが伝わらないと判定してもらえないので、小さな声やもごもご話すことはやめた方が良いです。もちろん、黙るのは点数的にも態度としても良くないので、wellやandでも良いので何か英語を話し続けないといけません。はっきり喋るように意識すると、面接官と自然に目線が合うでしょうし、失礼な態度にならないと思います。
まとめると、丁寧な態度で、しっかり喋って、話し続けましょう。
失礼じゃないギリギリのところを攻めるのはやめましょう。
【試験対策】についての疑問と不安
文法の正確さと流暢さのどちらが重視される?
どっちも重要。でも、完璧でなくても伝わる英語なら合格の可能性あり。
本当は、正確な文法&流暢な英語を話すのが一番良いです。でも、完璧でなくても合格している方はたくさんいて、実際、わたしも完璧でなかったはずなのに合格しています。結局は、バランスがとれているか、伝わるか、という面で判定されているのではないかと思います。
そもそもどっちかだけを重視しないで、練習でどっちも上達させた方が安心です。
内容の質と量、バランスはどうしたらいい?
質は高く、量は必要なことをちゃんと言えていればOK。
質は、語彙レベルとか文法があまりに低いと受からないので、そういう意味で「色んな文法を駆使できるよ」「副詞だって使えるんだ」「こんな語彙も知ってるよ」とアピールできるくらいの質は必要です。
量は、四コマで必要なナレーションができたら時間があまっても終了させてよいので、無駄にたくさん話す必要はないです。具体的には、1コマ3文、1質問3文で答えるのが量として適正だと言われています。
わたしは、過去問のサンプル解答を覚えて、感覚をつかみました。
模擬面接は必要?
絶対必要とはいえないけど、やれるならやった方がいい。
個人的な意見ですが、やれる対策は全部やった方がいいに決まってる、と思っています。
模擬面接をすると、自分で気付けないクセや間違いを指摘してもらえるので、スピーキングの上達が早くなります。上達するためのアドバイスがもらえるのもメリットです。模擬面接できない環境なら、解答を録音して、自分が話したことを全部文字に書き起こすのがおススメです。
文字に書き起こすと、「無言が多いな」「過去形と現在形が混ざっちゃってる」とミスに気付くことができます。
過去問や参考書はどのように活用するのがいい?
サンプル解答の研究と、その文を覚える。
過去問や予想問題に載っている四コマとサンプル解答を、何度も何度も聞いて音読して、暗唱できるようにするのがおススメです。(シャドウイングをくり返して、最後は四コマだけを見てサンプル解答が口から出てくるようにするということです。)あとは、同じ四コマでもいいし、初見の四コマでもいいので、録音(できれば録画も)しながら自分の言葉でナレーションしてみて、振り返ってみるとよいと思います。
わたしは、この方法で発音、流暢さ、フレーズの記憶、問題慣れ、時間の感覚など、全部のトレーニングができました。
以下の記事に四コマ問題対策をしたときのことを書いています。
四コマ問題を勘違い…。準1級のナレーションをディスクリプションだと思いこんでいた
緊張してうまく話せなくなったらどうすればいい?
多分、試験本番でそうなったら、どうしようもないかも?
どうにかできるものなら、きっとその場でどうにか対処してるはず。「もしも本番でどうしようもなくなったら」という質問だと思うのですが、そうならないように事前に準備するしかないです。
わたしは「2分間、絶対に止まらず話す」練習しておきました。最初は無言になることが多いけど、トレーニングしていくとだんだん適当にでも色んな事が言えるようになってきます。トレーニング大事!
わたしは人よりも過度に緊張するタイプなので、そもそもS-CBTを選択しました。面接官がいなくて、両サイドに仕切りがあってヘッドホンで周囲を気にしなくてもいいので。
スピーキング練習で役立つツールやアプリはあった?
ネイティブキャンプのアプリの中の、AIでスピーキングトレーニングができるコンテンツ。
もともとオンラインレッスンの為に入ったネイティブキャンプですが、ここのアプリにはかなりお世話になりました。アプリでがっつり英検対策ができるからです。
英検の問題とは違うところもあるのですが、アプリで四コマのイラストを見て制限時間内に話す練習ができます。そのときに録音と再生がパッとできるのはスキマ時間の使い方にピッタリでした。問題ごとにサンプル解答(文字&音声)が確認できるので、すぐに「そういう言い方ができるのか!」と勉強になりました。
オンラインレッスンも良いけど、アプリも相当便利に作られているので、忙しい人にはおススメです。
以下の記事は、二次試験対策のためだけにネイティブキャンプを使ったときの話です。
【体験談・ネイティブキャンプ】忙しくて英検二次対策に!と入会したら、ムダなく上達できた
アプリが便利なだけじゃなくて、英検準1級のオンラインレッスンが予約不要でできるところが忙しい人向けだなと思っています。
当日の心構えと準備は?
忘れ物をしない、腕時計をつける、試験前にトイレにいく、事前に発声をしておく。
心構えは、『今日の試験本番で出せた英語力が現状での100%の実力なんだ』と思っておくことだと思います。ダメだったらまた受ければいいだけ。受かったら英検の基準に達していた、受からなかったら基準に達していなかったというだけのこと。
忘れ物などのハプニングがあると緊張が増すから、持ち物の準備はしっかりした方がいいです。緊張すると声がちっちゃくなりがちなので、事前の声出しはおすすめです。(朝おうちで大声で笑ってもいいかも。とにかく一回大きな声を出しておくのおススメしたい。)腕時計は、面接なら2分の時間が分かった方がいいから持っていきましょう。
きっと大丈夫。だって今まで、本番にむけて頑張って準備してきてますよね。そんな自分を信じて頑張って!
リラックスするためのテクニックはある?
両手を開いて、手のひらを上にむける。
緊張してると体が縮こまって内側に曲がるらしく、逆の動きをすることで緊張がほぐれたり開放的になったりすると聞いたことがあります。なので、わたしは面接前などいつも座っているときに、①両手を開いて手のひらを上にして膝の上に置いていたり、②背中の左右の肩甲骨同士をくっつけるようにして胸を開いて座るようにしています。
ちなみに、試験前、わたしは人が見ていないところ(トイレなど)で、目や口を大きく開いたりもします。
まとめ
英検準1級の二次試験前は、疑問や不安がいっぱいだと思います。今回ご紹介したことを事前に知っておけば、当日は落ち着いて面接を受けられるし、予想外の事態にも冷静に対処できるはずです。
ポイントをおさらいすると、
ということになります。
もちろん、この記事はわたし個人の意見が入った内容ですから、それは違うんじゃないかと感じる方もいると思います。それでも受検前の不安や疑問が少しでも解消されたり、自分なりの解決方法が見つける手助けになったのではないかと思います。
忙しい中での受験は本当に大変で、まだ勉強が足りないんじゃないかという不安が付きまとうと思いますが、ぜひ効率よくスピーキングの練習をして合格を目指してくださいね。
少しでも参考になれば嬉しいです。応援してます!
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