そんな人、けっこういるんじゃないかと思います。
『英検の二次試験に受かるには、面接の練習と対策が必要!』
…と言われたら、「そうだよね」と納得もするし、理解もできています。
でも、私のような人見知りの小心者にとっては、「英会話教室に行って、知らない人と一緒にレッスンを受ける」のは、めちゃくちゃハードルが高いと感じてしまいます。それに大人向けの英語教室って通うのが大変だったり、授業料が高いので気軽に申し込むことができません。

できることなら、お金はかけたくないし、知らない人と一緒にレッスンを受けるのは避けたい。正直、家から出たくもない…。
でも、面接対策には“相手”が必要です。とくに準1級レベルとなると、面接官役になってくれる人がいないと対策するのが難しい部分があります。
しかも、その相手は『英語が分かる人』じゃないと意味がありません。
なぜなら、面接官として練習相手になってくれる人には、以下のようなスキルが必要だからです。
つまり、面接官役をお願いできるのは、英語がかなりできる人に限られてしまいます。英検準1級の合格率が15%くらいと言われているので、それ以上の英語力がある人を探すとなると、かなり難しいのは間違いありません。
私は、自分が受験するときに、先生探しの難しさに気付いて「あぁ、詰んだな…」と思いました。
準1級のスピーキング力を判断できる人なんて、そんなにいません。じゃあやっぱり英会話教室に通うしかないの?
そう思ったとき、ふとひらめいたんです。「でも、独学でやってる人も絶対いるよね?」

あんまりお金をかけないで、なんとか一人で対策する方法を調べよう!
英検って、毎年たくさんの人が受験しています。全員が全員、学校や英会話教室に通っているとは思えません。時間もお金もかけずに『一人でスピーキング対策をする』と考える人がいても不思議じゃないですよね。
そこでこの記事では、
お金も時間もかけずに、ひとりで準1級二次試験のスピーキング対策ができる方法
を調べて、実際にやってみた結果をまとめていきます。
紹介するのは以下の4つ。
- シャドーイング(オーバーラッピング)
- 聞き取り&書き取り
- 四コマに出てくる物の名前やよく出るフレーズを覚える
- 試験本番と同じ時間帯に、過去問で模試をする
ちゃんとこの4つをやり切れば、独学でも二次試験の合格ラインに届くレベルにはなると思います。この方法は、それくらい「やりごたえのある」内容になっています。
もちろん、英会話教室に通って時間やお金を使うものアリ。でも、一人でも本気でやれば合格できる。実際に、独学で準1級の二次試験に受かった人もいました。
ちなみに私は、途中で独学に挫折してしまいました…。恥ずかしながら、ネイティブキャンプに加入したのは、その挫折がきっかけです。
その時の記事はこちら⇒【体験談】忙しい私がネイティブキャンプで英検準1の二次対策をしたら、ムダなく上達できた話)
でも今、独学で頑張ろうと思っている人のことは、心から応援してます!!!
では、次からいろいろ具体的なやり方について紹介していきます。
準備するものは、過去問とスマホ

英検準1級の二次対策を始めるにあたって、最低限そろえておきたいのがこの2つ。
「え、それだけでいいの?」と思ったかた、ご安心ください。それだけで大丈夫です。
過去問について
このページを見ている方の多くは、おそらく1次試験対策のためにすでに過去問を持っているのではないでしょうか?
もし持ってない場合は、1冊は手元の用意しましょう!
出版社にこだわる必要はありませんが、コスパの良さで選ぶなら教学社の赤い表紙のシリーズがおすすめ。年3回×3年分、合計9回分の過去問が収録されていて、音声もダウンロード可能です。
![]() | 英検準1級過去問集(2024年度版) (2024年度版英検赤本シリーズ) [ 教学社編集部 ] 価格:2255円 |

ちなみに私はこのシリーズを新品で購入して、 1次試験・2次試験どちらの対策にも使いました。
なるべく出費を抑えたい方は、古本を探すのもアリです。ただしその場合、できるだけ新しい年度のものを選んでください。
なぜかというと、あまりに古い過去問集だと、出題傾向が現在と少しずれていたり、サンプル音声のダウンロードができない場合があるからです。
スマホについて
特別な機種は必要ありません。普段使っているスマホで十分対応できます。
スマホの主な用途は次の3つ。
過去問についているサンプル問題の音声は、スマホにダウンロードしたり、出版社の公式ページで再生することができます。
また、スピーキング練習のときは、自分の声を録音したり、実際に話している様子を録画してみるのがとても効果的。後で客観的に見返せるので、クセや弱点の発見にもつながります。
もちろん、スマホじゃなくタブレットでも同じことができればOKです!
ひとりで二次対策① シャドーイング&オーバーラッピング

英検の二次対策として、まず紹介したいのが「シャドーイング」と「オーバーラッピング」。一人でできるスピーキング練習の定番です。
もはや定番すぎて説明不要かもしれませんが、簡単におさらいしておきますね。
これらは、サンプル音声を聞いて、できるだけそっくりそのまま真似して話すトレーニングです。
シャドーイングとは?オーバーラッピングとは?
この2つの違いを、最初に明確にしておきましょう。
シャドーイングとオーバーラッピングは、一見似ているけど、それぞれ目的や効果が違います。違いを視覚的にまとめたのが、こちらの図です。

図を見てもらうと分かるように、シャドーイングでは耳→口の順に音が流れていき、オーバーラッピングは耳と口が同時進行で動きます。
・シャドーイング(青)
英語の音声を聞いて、0.5〜1秒ほど遅れてマネして話す練習法。
まるで影のように音声の後を追いかけていく感じ。
・オーバーラッピング(オレンジ)
英語の音声とまったく同じタイミングで、同じ内容を発話する練習法。
音声と自分の声を“重ねる”ように話します。
似ているようで、やってみると意外と違う。「どっちか一方でいいんじゃない?」と思いがちですが、実はそれぞれ効果が違うんです。
そして結論から言えば、英検準1級の二次対策には、両方やった方が確実にいい。
それぞれの目的と得られる力が違うからです。
なお、使用する音声は「過去問のサンプル解答の音声」のみでOK。他の教材に手を広げる必要はありません。
シャドーイングとオーバーラッピング それぞれの目的
それぞれの練習が、どんな力を伸ばしてくれるのか。下記に、目的などを表にまとめたので、ご覧いください。
シャドーイングとオーバーラッピングの違いを比較表で理解すると、それぞれの練習の意味や優先度が見えてきます。
項目 | シャドーイング | オーバーラッピング |
---|---|---|
練習方法 | 音声を追いかけて話す | 音声と同時に話す |
目的 | リスニング力 + 瞬間的な理解と発話 | 発音・イントネーション・リズムの体得 |
英文を見るか | 最初は見ながら、慣れたら見ずに練習 | 英文を見ながら練習 |
大変な部分 | 脳への負荷が高い。 1、耳で聞く 2、頭で理解(覚える) 3、口に出す | 音に集中しないといけない。 1、耳で聞きながら 2、口に出しながら 3、自分とサンプルの違いを見つける |
ざっくり言うと、
この2つをセットでやることで、耳と口、どちらの筋トレにもなるんです。
両方やることで、面接対策が完成する
シャドーイングとオーバーラッピングを両方やると、面接(二次試験)全体のスキルアップにつながります。
たとえば…
わたし自身もこの方法で練習しましたが、回数を重ねるごとに、耳も脳も口もどんどん鍛えられていくのを実感できました。
ただ、負荷が大きいのか、本当に疲れる練習です。終わるとグッタリすることもありました。

最初はヘトヘトになるけど、だんだん楽しくなってきます!
慣れてくると、「あれ?私、けっこう話せるかも…」という感覚が芽生えてきます。それが、この練習の最大のご褒美に…。
【対策①のまとめ】
シャドーイングとオーバーラッピング、両方をしっかり練習しよう!
聞き取る力と話す力、どちらも伸ばせます。
英語の瞬発力とナチュラルさを身につければ、本番でも焦らず対応できるようになります。
…が、正直めちゃくちゃ疲れる練習です。終わったあと、ぐったりすることもあるくらい。
ひとりで二次対策② 聞き取り&書き取り

英検のスピーキング対策、2つ目は「聞いて、書く」トレーニングです。
やることはシンプルですが、地味に効いてくる練習です。
やり方は、聞いて、書くだけ
方法は本当にカンタン。
- 英語を聞く
- 内容を覚える
- 書き出す(文字に起こす)
いわゆる「ディクテーション(書き取り)」と呼ばれるものですね。日本語でやればラクに感じることでも、英語になると一気に難易度が上がります。
英語の音声は、『過去問のサンプル音声』と『自分の解答』
使う音声は、たったの2つだけ。
- 過去問のサンプル解答
- 自分が実際に話した解答
それぞれのやり方と目的を、くわしく説明します。
1 サンプル解答の書き取り
まずは、過去問に収録されている「サンプル音声」を使います。
聞いた内容を、そのままスマホのメモアプリやノートに書き出していきましょう。手書きでも、スマホ入力でも、やりやすい方法でOKです。
この練習の目的は、正確な英文を身につけること。
学習中に、こんな壁にぶつかることありませんか?
- 単数と複数の聞き分けが曖昧
- 冠詞(a / the)がうろ覚え
- 文法的に「なんとなく合ってる」レベルで止まる
これらを解消してくれるのが、書き取り練習なんです。最初は一語ずつしか書けなくても、慣れてくるとフレーズ単位で書けるようになりますよ!

「シャドーイングの方がラクかも…」と感じたくらい、最初の書き取りはボロボロでした。1回で覚えられず、何度も音声を聞いてやっと書けるように…。でもそのぶん、文法の理解が深まりました!
2 自分が発した解答を書き取り
次は、自分が話した英語を録音して、それを文字に起こします。
やり方はこんな感じ。
- 過去問を使って、本番さながらにスピーキング練習
- 自分の声をスマホで録音
- その音声を、書き出していく
この方法のポイントは、自分の英語のクセやミスに気付けること!
書き出してみると、「あれ、思ってたより言えてなかったかも…」って冷静に見えてくるんです。

話しているときは必死で分からないんだけど、あとで文字にして読むと、自分の英語力が見えてきてちょっとショック…。でも、それがすごく大事な気付きでした!
本当は誰かに添削してもらう方が良いんでしょうが、ひとりで二次試験対策をするなら、文字に書き起こしてみる方法がおススメです。文字にすることで自分の英語を客観視できます。
聞き取り&書き取りは、英語力の“底力”を鍛える
この練習、ただ「聞いて書く」だけに見えて、実はめちゃくちゃ英語の底力を上げてくれます。
英語をなんとなく理解できたつもりでも、書こうとしたときに「え、ここどうなってた?」ってなるのはよくある話。
- 単語を拾ってるだけの理解
- ちゃんと文章として頭に入っている理解
この差を明確にしてくれるのが、聞き取り&書き取りなんです。
【対策②のまとめ】
聞いた英語を文字に起こすことで、自分の弱点と、英語の“あいまいゾーン”がクリアに見えてくる!
文法力・リスニング力・スピーキング力、全部の底上げになる練習なので、時間がかかってもぜひやってみてください!
ひとりで二次対策③ よく出る言葉を集める

スピーキング対策の3つ目は、「よく出る単語・フレーズ集を作る」方法です。
これをやっておくと、本番の「何を言おう?」という迷いがグッと減ります。
過去問から、単語&フレーズをピックアップ!
まずは、過去問の問題文とサンプル解答をざっと読みましょう。1冊丸ごとでもいいし、1年分(3回分)だけでも十分です。
その中から、
などを、スマホのメモアプリやノートなどにどんどん書き出していきます。
大事なことは、“自分で” 単語・フレーズ集を作ること
すでに誰かが作ってくれた単語帳もありますが、あえて自分で作るのがオススメです。
その理由は、次の3つ。
① 作る過程で、記憶に残る
単語やフレーズを調べて、書き出して、整理する。
この“手を動かす”プロセスそのものが記憶の助けになります。
② 自分にとって必要なものだけを集められる
すべての単語を覚える必要はありません。
自分が「これ使えそう」と思ったものだけを選ぶことで、効率よく覚えられます。
③ くり返し見返して復習しやすい
自分で作ったノートは、「どこに何が書いてあるか」が頭に残りやすいです。
見返すたびに「前にもこれやったな」と思い出せるので、定着が早いです。
英検には、よく出る定番ワードがある
英検の二次試験には、よく似たシチュエーションが繰り返し登場します。


別の回の問題なのに、同じようなシーンが出題されたり、同じ単語やフレーズが何度も出てくるんです。

「またこの単語出てきた!」という言葉をストックしていくのがコツ。
こういった“使い回せる単語”を集めておくと、本番でも安心して話せます。
「聞けば分かるけど、言えない」表現もメモしておこう
リスニングでは分かるけど、自分からはなかなか言えない表現。
これこそ、スピーキングで積極的に覚えておきたいフレーズです。
言えたらカッコいいし、答えの幅もぐっと広がります。
【対策③のまとめ】
・よく出る単語やフレーズを自分で集める
・使いやすい、使いまわせる表現をストック
・「言えそうで言えない」表現もどんどんメモ!
ひとりで二次対策④ 本番と同じ時間帯に、家で模試をする

模擬試験をしておくと、自分の実力が確認できるし、本番の雰囲気にも慣れることができます。
模試には過去問を使う
まだ解いていない過去問があれば、それをそのまま模試として使いましょう。すでに解き終わっている場合は、最新の回などを選び、本番と同じように時間を測りながら、声に出して解答してみてください。

一度解いた問題でも、本番のつもりでやると緊張感が全然違います!
申し込んだ受験時間と同じ時間帯で模試をする
模試をするときは、実際の試験と同じ時間帯で行うのがベスト。
午前・午後で集中力や体調のリズムが違うので、本番と似たコンディションで練習できます。
従来型(面接官との試験)の場合
個人申し込みの場合、準1級の二次試験は基本的に午前中に行われます。
S-CBTでの受験の場合
S-CBTの場合は自分で受験時間を選べるので、選んだ時間に合わせて模試を行いましょう。
- 従来型 午前受験 → 模試も午前に
- S-CBT 選んだ時間 → 模試も同じ時間に

本番とできるだけ同じ条件でやってみると、実力とのギャップが分かりやすいです。
模試は録音(できれば録画)&タイマー使用

模試中はタイマーを使って時間を計ること。
そして、できれば録音、可能であれば録画もしておくのがおすすめです。
録音・録画をすると、後から自分の発言内容だけでなく、姿勢や視線の動きなども確認でき、態度点の対策にもつながります。
模試の後は必ず見直しを
模試のあとは、録音した自分の解答を振り返りましょう。
ここで活用できるのが、前に紹介した【聞き取り&書き取り】の方法です。
自分の話した内容を文字に起こし、サンプル解答と見比べてみると、自分の英語の改善点がハッキリしてきます。

ただし、自己チェックには限界があるんですよね…。迷うところも多いです。
ひとりで改善が難しいと感じたら
どうしても自分で改善点を見つけるのが難しいときは、誰かに頼るのも大事です。
英検の指導経験がある先生に相談すれば、効率的に上達できます。
ちなみに私は、ひとりで限界を感じて “>ネイティブキャンプに加入しました。どうやって合格するかは、独学だけにこだわらずに、臨機応変に対策を変えた方が良いと思います。
【対策④のまとめ】
模試は本番と同じ時間帯に、過去問を使って!
録音・録画して見直せば、実力アップにつながります!
【まとめ】英検準1級の面接対策は、「聞く・書く・撮る」でOK!お金をかけずに、スマホと過去問でここまでできる!

英検準1級の二次試験(スピーキング)は、「スクールに通わないと難しそう…」とか「やっぱり誰かに見てもらわないと不安」と感じる人も多いかもしれません。
でも実は、過去問とスマホを上手く使えば、独学でも合格はじゅうぶん可能です!実際に、お金をあまりかけずに一人で対策して、合格した人はたくさんいます。
今回ご紹介したのは、そんな人たちも実践している4つの方法。
- シャドーイング&オーバーラッピングで音をまねる
- 聞き取った英語を文字にして、自分の弱点を見つける
- よく出る単語・フレーズをストックして覚える
- 本番と同じ形式・時間で、録音&録画つきの模試をする
どれも、スマホと過去問さえあればすぐにできる方法ばかり。特別な教材やアプリがなくても、毎日少しずつ積み重ねていけば、自信と実力はちゃんとついてきます。
もちろん、オンライン英会話スクールの活用もとても効果的です。「講師と練習してみたい」「本番のような面接練習がしたい」と思ったら、専用コースのあるスクールを併用するのもおすすめ。
でも、「なるべくお金をかけずに、自分のペースで進めたい」なら、今回ご紹介した方法がぴったりです。
大事なのは、どの方法を選ぶかよりも、続けられるかどうか。
スピーキングは、とにかく練習あるのみ!自分に合った方法で、今日から少しずつ始めてみてください。
過去問とスマホだけでも、合格への準備はちゃんとできます!

少しでも参考になったらうれしいです。ひとりでも大丈夫!応援してます!
以前、オンライン英会話を使ったときの記事はこちら⇒【体験談】忙しい私がネイティブキャンプで英検準1の二次対策をしたら、ムダなく上達できた話)
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