英検の二次に受かるには、十分な練習と面接対策が必要です。でも、英検の面接対策には『相手』が必要で、その相手も『英語ができる人』に限られてしまいます。
英会話教室などを利用すれば、先生を見つけることは簡単かもしれません。ただ、時間や費用を考えると『一人でスピーキングの練習ができないかな?』と思うのも当然です。
わたしも最初は、「お金も時間もかけず、なんとか一人で対策をしたい!」と思っていました。
わたしの場合、お金や時間に余裕がなく、人見知りなこともあって、知らない人(先生)との面接練習に抵抗があり、『ひとりで練習できたらいいな』と思っていました。
そこでこの記事では、
お金も時間もかけずに、ひとりで準1級二次試験のスピーキング対策ができる方法はないか
を調べ、実際に試してみた結果を紹介していきます。
紹介するのは以下の4つで、
- シャドーイング(オーバーラッピング)
- 聞き取り&書き取り
- 四コマに出てくる物の名前やよくでるフレーズをまとめる
- 試験本番と同じ時間帯に模試をする。
などがあります。
この記事を読めば、ひとりで対策をしても、二次試験の合格ラインに届くレベルになると思います。
独学で合格を目指している人は、ぜひ参考にしてくださいね!
実はわたし、最後の最後にオンライン英会話スクールに加入しました。ひとりでは無理だと思ったからです。
しかし、独学で合格している人もいるので、必ずしもひとりで対策できないわけではありません。
わたしが一人では継続できないタイプだっただけです。
この記事を読んでる人の中には、余裕をもって独学で合格できる人がたくさんいると思います。
ただ「どうしても一人で対策はムリ!」と行き詰った人は私の経験談が参考になると思うので、よかったら過去記事をご覧ください。
スピーキング対策に使うものは、過去問とスマホだけ
使うものは、過去問とスマホの2つです。
一次試験で使った過去問を使う
費用をかけないために、今あるものを活用します!
過去問を持ってない人は、1冊買ってください。
安く買うなら、古本で手に入れるのがおススメです。ただし、なるべく最新の過去問を買ってください。年度が古すぎる問題集は、出題傾向が今とは違う場合があります。
どの過去問集でもいいのですが、教学社が出している赤い表紙の本だと9回分(年3回×3年分)入っていてコスパが良いです。もちろん音声も聞けます。
英検準1級過去問集(2024年度版) (2024年度版英検赤本シリーズ) [ 教学社編集部 ] 価格:2255円 |
わたしはこの本を新品で買い、 1次試験にも2次試験にも使用しました。
スマホは、再生・録音・録画ができればよい
一般的なスマホなら大丈夫です。
スマホの用途は、
に使います。
同じことができるなら、タブレットでもスマホでも大丈夫です。
ひとりで準1の二次対策① シャドーイング&オーバーラッピング
英検のスピーキング対策の一つ目は、サンプル解答をシャドーイング&オーバーラッピングする方法です。
どちらも、英語の音声を聞いて、そっくりそのまま真似して話す方法です。
シャドーイングとオーバーラッピングの違い
準1級の二次対策のため、シャドーイングとオーバーラッピングをしていくのですが、先に2つの違いを説明します。
【シャドーイング】
英語の音声を聞きながら、ちょっと遅れて(0.5〜1秒ほど)マネして話す練習法
【オーバーラッピング】
英語の音声と同時に、まったく同じ内容を声に出して話す練習法
「音声を追いかけて話す」と「音声にぴったり重ねて話す」。似ていますが、別物です。
「どちらかで良いのでは?」と思いがちですが、英検の二次対策では、どちらも練習した方がいいです。理由は、それぞれの目的や効果が違うからです。
ちなみに、聞く音声は過去問のサンプル解答の音声だけです。
(二次試験に合格することが目的だから、他の教材は使いません。)
シャドーイングとオーバーラッピングを両方する目的
シャドーイングとオーバーラッピングをどっちもやる理由は、それぞれ目的が違うからです。
表にまとめてみました。
シャドーイング | オーバーラッピング | |
---|---|---|
練習方法 | 音声を追いかけて話す | 音声と同時に話す |
目的 (英語で鍛えるもの) | リスニング力と、一瞬で理解し話す力 | イントネーション、発音、リズムを体で覚える |
英文を見るか | 最初は見ながら、慣れたら見ずに練習 | 英文を見ながら練習 |
大変な部分 | 脳への負荷が高い。 1、耳で聞く 2、頭で理解(覚える) 3、口に出す | 音に集中しないといけない。 1、耳で聞きながら 2、口に出しながら 3、自分とサンプルの違いを見つける |
どっちもやることで、スピーキング力を全体的にきたえることができます。
両方やることで、面接対策ができる
シャドーイングとオーバーラッピングを両方することで、面接全部の対策になります。
<どっちもやることで、面接の対策になる理由>
- 質問が聞き取れるようになる
- 瞬間的に(=日本語を介さずに)考えたことが英語で口から出てくるようになる
- 話す英語が、ネイティブと同じような英語になる
- サンプル文を見ながら話すので、よく出るフレーズや単語が記憶に残りやすい
わたしも、面接にむけてどっちも練習しました。やればやるほど、耳と脳と口周りの筋肉が鍛えられて、スムーズに話せるようになっていきました。
ただ、負荷が大きいのか、本当に疲れる練習です。終わるとグッタリすることもありました。
でも、最初は疲れるけど、じわじわ慣れてきます。
慣れると、自分で『英語が言えるようになってきたな』と効果が実感できるのが、このトレーニングの良いところです。
【対策①のまとめ】 シャドーイングとオーバーラッピングで、耳と脳と口をきたえる!
ひとりで準1の二次対策② 聞き取り&書き取り
英検のスピーキング対策の二つ目は、英語を聞いて書く方法です。
やり方は、聞いて、書くだけ
やることは本当にシンプルで、英語の音声を聞いて、書き取るだけです。いわゆる文字起こしです。
やり方は
- 英語を聞いて
- 覚えて
- 書く
最初は、2の “覚える” ところが難しいです。
聞き取る英語は、過去問の『サンプル音声』と『自分の解答』
使う英語の音声は、以下の2つです。
- 過去問の『サンプル解答』
- 過去問で『自分が発した解答』
【 1 サンプル音声の書き写し】
1つ目の音声は、過去問の『サンプル解答』です。聞いて、どんどんノートなどに書いていきます。
サンプル音声を使う目的は、文法の正確性を上げることです。そもそも、正確な文法の英語を覚えてない人は、英語を聞いて意味がわかっても、書く時に手が止まります。
- 単数か複数かよく聞いてない
- 単語・冠詞・文法があいまい
- 結局、色々と「あれ?なんて言ってたっけ?」と手が止まる。
最初は、単語ごとにしか書き起こせないかもしれません。でも、やっていくにつれて、フレーズや文ごとに書き写せるようになります。
『自分の英語力って、ここがあいまいなのか…』と客観的に分かるので、ぜひ一回やってみてください。
【 2 自分が発した解答】
2つ目の音声は、『自分の解答』です。
①二次試験の過去問を本番のように時間内で解答する。
②自分の話した英語をスマホで録音する。
③録音した自分の英語を、ノートなどに書き起こす。
この作業の目的は、自分の英語の間違いに気付くことです。文字に書き出してみることで間違えている部分がはっきりと分かります。
話しているときは一生懸命なので、細かいミスに気付けないんです。
本当は誰かに添削してもらう方が良いかもしれません。でも、書き起こしてみるだけで自分の英語を客観視できるのでおススメです。
聞き取り&書き取りは、シンプルだけど英語力の底上げできる
なんとなく意味がとれる状態は『単語を拾い聞きしている』のと変わらないです。
聞いて内容が分かっても、文字化するときに「あれ?なんて言ってたっけ?」と細かい部分が分からない場合が出てきます。
【対策②のまとめ】 聞き取り&書き取りで、英語の精度を上げる!
ひとりで準1級の二次対策③ よく出る物の名前やフレーズを集める
英検のスピーキング対策の三つ目は、よく出る物やフレーズ集を作る方法です。
過去問を読んで、単語やフレーズ集め
まずは、過去に出た問題文とサンプル解答を読みます。1冊全部読んでも良いし、1年分(3回分)でもいいです。
その中で、自分で気になった単語や、言いやすいと思ったフレーズを書き留めていくだけです。
ノートでも、スマホでもいいのでリストを作ります。
大事なことは、“自分で” 単語&フレーズ集を作ること
過去問から単語やフレーズを書き出していくと手間がかかります。それでも、自作の単語・フレーズ集を作ることをおススメします。
理由は、以下の3つです。
- 作る過程で、記憶に残せる
- 自分にとって必要なものだけ集められる
- くり返し見返して復習しやすいから
作る過程で、記憶に残せるから
単語やフレーズを調べて書き出す過程ごと記憶に残るので、思い出しやすくなります。
自分にとって必要なものだけを集められるから
必要な単語やフレーズを選んで記録するので、効率よく学習できます。試験で役立つ内容だけを揃えた方が時短になります。
くり返し見返して復習しやすいから
自分で作った単語・フレーズ集は内容は、復習のたびに「ここは前に覚えたな」といった確認がしやすいので、記憶が定着しやすくなります。
英検の二次試験には、何度も出てくる言葉がある
英検の二次試験には、よく出がちな単語やフレーズがあります。
四コマだと『室内でグラフを見ながら相談しているシーン』とか、Q&A問題だと『自然環境を守るには…』とか、内容は違えど似たような単語がくり返し出てきます。
また出た!と思った単語を集めていけばOKです!
くり返し出てくる単語は、使いまわしやすい単語です。覚えておいて損はありません。
「そんな言い方するんだ」と思った単語や言い回しも記録する
『聞けば分かるけど、自分では言わないような単語やフレーズ』も覚える対象です。
面接本番ではどのような問題が出ても対応できるように、少しでも使える言葉のストックを増やしておきましょう。
【対策③のまとめ】 <よく出る & 自分では言わない>単語やフレーズを集めよう!
ひとりで準1級の二次対策④ 本番と同じ時間帯に、家で模試をする
模擬試験を行うことで実力をチェックし、本番に備えます。
模試も過去問を使う
過去問を全て解きおわっているなら、過去問のうち最新回の問題を使って、本番と同じように時間を測りながら、試験を解いて(話して)みます。
まだ解いてない過去問があれば、その問題を模試として解いていきます。
申し込んだ受験時間と同じ時間帯にする
模試をするときは、試験と同じ時間帯がおススメです。午前と午後で人の体調は変わるので、実際の試験と同じ結果になりやすいと思います。
従来型(面接官との試験)の場合
従来型(面接官との試験)の場合、個人申し込みだと準1級の二次試験は午前になるはずです。
S-CBTでの受験の場合
S-CBTでの受験の場合、自分で受験時間を選べるようになっています。選んだ時間と同じ時間に模試をやります。
従来型 | S-CBT |
午前受験なので、模試も午前にする | 自分で決めた受験時間と同じ時間に模試をする |
なるべく同じコンディションで試してみる方が、より今の実力に近い結果になります。
模試の解答は、タイマーを使い、録音(録画)をする
でも、できるのなら録画をしながら模試をするのがおススメです。
過去問を模試として解く時は、タイマーで時間を測り、録音をします。録音した音声はあとで見直しをするときに使います。
無意識の目線の動きや姿勢を確認しておくと、態度点の対策にもなります。
模試を自宅でやった後
模試後は必ず見直しをして、自分の解答の改善点を探していきます。
先に紹介した対策【聞き取り&書き取り】の方法で、自分の解答をチェック
録音した自分の解答を書き起こして文字にして、サンプル解答と照らし合わせみます。見比べてみると、自分の解答の中でブラッシュアップできるところが見つかります。
…とは言え、二次試験の見直しは、自分でやっても正解かどうかの切り分けが難しいです。
ひとりで改善するのが難しい場合
どうしても、ひとりで改善点を見つけたり解答を修正したりすることが難しい人もいると思います。
そういうときは、英検の指導ができる人に相談した方がいいです。自分の解答をチェックをしてもらうと上達が早いです。
わたしは、ひとりで改善するのが難しい事もあって、オンライン英会話スクールのネイティブキャンプ に加入しました。英検準1級コースがあるので質問しやすいです。【対策④のまとめ】 受験時間と同時刻に、過去問を模試のように解く!
【まとめ】 一人でする準1級の面接対策は、聞く・書く・撮る
英検準1級の二次はスピーキング試験なので、『先生となる人に見てもらわないとムリ』と感じる人がいます。
でも、過去問やスマホを活用して、独学で合格した人もたくさんいます。
独学で合格するにはいくつか勉強方法がありますが、今回、この記事で紹介したのは過去問を使った、
- シャドーイングとオーバーラッピング
- 英語を聞き取って、文字起こし
- 過去問から、よく出る単語やフレーズを抜き出して集める
- 本番と同じ時間に過去問を解いて、録音・録画する
という4つの方法です。
『過去問をしっかりやる』ことで、英検の出題傾向がつかめたり、似たような解答になることがつかめると思います。
もちろんわたしのように、英会話スクールを活用するのもおススメです。英検に詳しい先生に見てもらう方が、上達のスピードが上がるし、発音のクセなども指摘してもらえるからです。
でも、独学でやれば、自分のペースで進めることができるし、お金もあまりかけずに済みます。
準1級に合格することが目的なのであれば、独学でも、教えてもらうのでも、方法は気にしなくていいと思います。個人的にも、スピーキングは練習あるのみだと感じています。
準1級の合格に向けて頑張ってくださいね!
少しでも参考になれば嬉しいです。応援してます!
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